「ジャネーの法則」──歳を重ねると時間が早く感じる理由とは?

「子どもの頃の夏休みはあんなに長く感じたのに、大人になると1年があっという間だ」
そう感じたことはありませんか?
この感覚に、心理学的な説明を与えてくれるのが「ジャネーの法則」です。
ジャネーの法則とは?
ジャネーの法則(Janet’s Law)は、フランスの哲学者・ポール・ジャネが提唱した心理法則で、
**「人が感じる時間の長さは、年齢に反比例する」**というものです。
つまり、年を取るほど時間が早く過ぎるように感じるという現象を説明しています。
この法則は、ポール・ジャネの甥である心理学者ピエール・ジャネによって広まりました。
どうして年を取ると時間が早く感じるの?
ジャネーの法則は、**「相対時間」**という考え方に基づいています。
たとえば、10歳の子どもにとっての1年は「人生の10分の1」ですが、
50歳の大人にとっての1年は「人生の50分の1」になります。
この「人生の中での比率」が違うことで、同じ1年でも体感時間が変わるのです。
例で考えてみよう
たとえば、小学1年生の子どもにとっての夏休み(40日)は、
これまでの人生約2500日(約7年)のうちの**1.6%**に相当します。
しかし、40歳の大人にとっての40日間は、これまでの人生約14,600日のうちのたった0.27%。
この差が、「長い」「短い」の体感に表れるのです。
また、子どもは毎日が新鮮で刺激的な体験に満ちているのに対し、
大人になるとルーティン化された日々が多く、新しい記憶が少なくなります。
この記憶の密度の違いも、時間の感じ方に影響します。
どうすれば「時間が早い」と感じないで済む?
「気づけばもう年末」「あっという間に月日が過ぎた」
そんな感覚を減らすには、日々に新鮮な体験を取り入れることが効果的です。
- 初めて行く場所に行く
- 新しい趣味を始める
- 旅先で知らない文化に触れる
こういった「非日常」を体験することで、記憶が濃くなり、時間がゆっくりと感じられるようになります。
まとめ
ジャネーの法則は、時間の体感を見直すきっかけを与えてくれる考え方です。
年齢を重ねることは止められませんが、日々をどう過ごすかは自分次第。
新しいことにチャレンジし、心に残る毎日を送ることで、
「時の流れ」をより豊かに感じられるかもしれません。