「健康保険証の色で年収がバレる?」噂の真相とその背景を徹底解説
健康保険証の色が、その人の勤めている企業規模や年収を示しているという噂を耳にしたことはありませんか?特に、赤色やピンク色の保険証は「大企業の証」などとネット上で語られることがあります。しかし、実際にはどうなのでしょうか?2024年12月には健康保険証が廃止され、マイナンバーカードに切り替わる中、この噂が注目される理由を探ってみました。
健康保険の仕組みと保険証の色が違う理由
日本は「国民皆保険制度」を採用しており、国民全員が何らかの公的医療保険に加入しています。社会保険と国民健康保険の2種類に大別され、それぞれ保険者が異なるため、発行される健康保険証の色も変わることがあります。
例えば、企業に勤めている正社員や一部の非正規社員は「社会保険」に加入し、保険者としては協会けんぽや組合健保が存在します。一方、自営業者や無職の方、年金受給者は国民健康保険に加入しています。この違いが保険証の色に影響を与えていますが、色だけで所属する企業規模や年収を完全に把握することは不可能です。
健康保険証の色は保険者に依存している
健康保険証の色が話題になる理由は、保険者によって特定の色が多用される傾向にあるからです。例えば、以下の通りです:
• 協会けんぽ:青色、水色、オレンジ色が一般的。
• 組合健保:赤色やピンク色が多い。
このため、「赤色やピンク色の保険証は大企業の象徴」と言われることがあります。しかし、これは単なる傾向に過ぎず、例外も数多く存在します。実際には、協会けんぽで赤色やピンク色の保険証が発行されるケースもあるため、保険証の色だけでその人の年収や企業規模を断定することはできません。
保険者番号で保険の種類を特定できる
健康保険証には「保険者番号」という8桁の数字が記載されており、最初の2桁は法別番号と呼ばれています。この番号を見ることで、加入している保険の種類を知ることができます:
• 01:協会けんぽ
• 06:組合健保
• 国民健康保険:法別番号がなく、保険者番号は6桁
これにより、どの種類の保険に加入しているかは分かるものの、色は保険者の方針によるものであり、決して年収や企業規模と直結するものではありません。
年収と保険証の色を結びつける噂の正体
健康保険証の色でその人の年収が分かる、という噂は根拠に乏しい都市伝説に過ぎません。組合健保が多くの大企業で採用されていることから、「組合健保=年収が高い」という印象が生まれた可能性があります。しかし、保険証の色がその企業や年収を象徴しているというのは事実ではありません。
健康保険証の色を気にするよりも、保険内容や保障の詳細を確認する方が、実際には重要です。今後、マイナンバーカードへの移行が進むことで、このような噂は消えていくでしょう。